建築現場に欠かせない足場。注意したいことをまとめて紹介
2023年6月23日
足場の組み方は
高所作業の安全確保や、効率の良い作業のために建築現場などで建てられる足場。
鉄の棒の単純な組み方で建てられているようにも見えます。
しかし、そこに作業員が立ち、必要な資材などを運び、作業をする足場には、安全に十分注意した組み方が必要で、専門の技術と知識が必要不可欠です。
今回は、足場の組み方について、注意したいことや必要な資格について、詳しく紹介します。
足場の組み方には基準がある
足場は、安全性を担保するために、組み方などが法律によって定められています。
2mを超える場所で一側足場以外の足場を建てるときの規定は
・足場の幅を40㎝以下にする
・床材は3㎝以下の隙間にする
・床材と建地は12㎝以下の隙間にする
などです。
加えて、移動式足場ではない場合は、2つ以上の支柱で床材の崩壊を防がなければなりません。また、落下の危険を含むときには、
・10㎝以上の幅木
・メッシュシート
・防網
を使用して、落下を防ぐ対策を講じましょう。
工具や資材の落下だけではなく、塗料やほこりの飛散を防ぐ効果もあります。
そのほかの規定
組立や解体、変更を行う足場が2mを超える場合には
・作業区域には作業員以外を立ち入らせない
・天候が悪いときには作業をしない
などの規定があります。
また、緊結や取り外しなどを行うときは
・作業床に40㎝以上の幅を設ける
・要求性能墜落制止のための器具を設ける
などの規定があり、資材や工具などを上げ下げするときには、吊り網などを使うことが定められています。
組み方で注意したいこと
足場は高所で作業員の安全を確保するためと、スムーズな作業のために建てられます。
高所での作業の安全が確保できるように、十分な注意が必要です。
そのため、足場の組み方には、専門の技術と知識が求められ、適切な組み方で足場を建てる必要があります。
ここからは、足場の組み方で注意したいことを紹介しましょう。
まず重要なのは安全
足場を必要とする作業で、まず求められるものは安全の徹底です。
そのため、足場の作業は常にチェックリストなどに基づいて安全点検を行う必要があります。
現場に合わせたチェックリストが作られる必要がありますが、共通しているのは
・足場材に破損や緩みがないか
・足場材に取り外された部分がないか
・作業床に工事用具や資材が散乱していないか
・風で飛散する可能性があるものが放置されていないか
などです。
これらの点をを常にチェックしましょう。
安全が確認できない場合には、作業を始めず、まずは安全確保を優先させなければなりません。
事故を防ぐ
足場では、作業前に安全確認ができても、すべての作業が安全に進むとは限りません。そのため、作業中も安全対策を講じる必要があります。
特に、足場からの転落や墜落は、命に関わる重大な事故に繋がります。
事故を未然に防ぐために
・手すりや幅木の設置を怠らない
・床材には隙間がないようにする
ことに注意しましょう。
最近では、解体で作業床を外すまで手すりを解体しない足場の組み方である手すり先行工法を取り入れる現場も多くあります。
さまざまな安全対策を講じて、事故が起きないように注意しましょう。
トラブルを防ぐ
足場の組み方によっては、組立や解体のときに大きな音が出るものもあります。また、作業中には、近隣の住宅の日当たりに影響するなど、近隣住民に不便を強いることもあります。
足場による作業を迷惑に感じる人もいるかもしれません。
トラブルを避けるためには、あらかじめ足場を建てることを周囲に通知し、理解を求めることが大切です。
ほかにも、作業によって、植木など周囲にあるものを壊したり傷つけたりしないよう注意しましょう。
施工主との信頼関係の構築に十分配慮し、足場の組み方によって、トラブルになったり、近隣の住宅に迷惑がかからないようにする注意が必要です。
足場の組立に必要な資格
足場の組立に必要な資格はありません。
しかし、5mの高さを超える足場の指揮は、資格を持つ人のみが行えます。また、吊り足場のように通常の足場とは異なる足場の指揮にも資格が必要です。
組立等作業主任者
国家資格である組立等作業主任者は、資格を取得すると吊り足場などの組立や解体の指揮を取れます。また足場変更作業を行うときにも、組立等作業主任者の資格が必要です。
受験資格は、実務経験3年以上、土木や建築の課程を卒業しているなどの条件があります。また、技能講習を終えたあと、学科試験に合格しなければなりません。
とび技能士
掘削や土止めなどの能力が、足場の組立や解体に加えて保証される国家資格がとび技能士です。
とび技能士には1級から3級までが用意されており、3級には受講条件はありません。ただし2級には実務経験2年以上が必要で、1級では実務経験7年以上または、とび技能士2級に合格してから2年以上、とび技能士3級に合格してから4年以上の実務経験が必要です。
建築物等の鉄骨の組立等作業主任者
5m以上の建築物の組立や解体などの作業を行う際の資格としては、建築物等の鉄骨の組立等作業主任者があります。建築物等の鉄骨の組立等作業主任者は国家資格で、取り扱える建物には鉄塔も含みます。
受講資格は、鉄塔や金属製の骨組みにおける実務経験が3年以上または、土木や建築の課程を卒業している必要があります。加えて、学科講習を受け、修了考査に合格しなければなりません。
大切なこと
足場には種類によって適した組み方があり、また現場によって適した足場が異なります。
安全でスムーズな作業を進めるための足場には、さまざまな規定が設けられ、注意しなければならないこともあります。また、足場の組み方を指揮するためには、資格も必要です。
足場を使用して作業をするときには、規定や注意点を守り、指揮者の指示に従うだけではなく、作業する一人ひとりが安全意識を高め、常に技術や知識を深める努力を怠らないことが大切です。
まとめ
今回は、足場の組み方や注意したいことなどについて紹介しました。また足場を使った作業現場を指揮するために必要な資格についても解説しました。
足場の組立には、安全を守るための知識と技術が必要です。
また作業をするときには、近隣への影響や施工主との信頼関係の構築を意識することも大切です。
安全でスムーズな作業を進めるために、常に安全確認をしましょう。
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