壁つなぎの役目や設置するときの基準について知りたいこと
2023年4月28日
壁つなぎと聞くと、足場のことを何もしらない人は、単に壁と壁を繋げることかと思うのではないでしょうか。建築や工事現場でよく見かける足場には、一見してどれも同じ足場に見えますがさまざまな種類があります。
しかし、種類があるだけではなく、安全を守り、円滑に作業を進めるために、さまざまな対応とそれぞれに応じた基準が設けられています。
その一つである壁つなぎは、足場を建てて作業するときに、足場が倒れたり、形が変わってしまうことを防ぐために行われる重要なものです。
壁つなぎを行わなかったことで、命に関わる重大な事故に繋がったケースも報告されています。逆をいえば、壁つなぎにはそれだけ重要な役目があるということです。
今回は、重要な役目を果たす壁つなぎの基準や方法について、わかりやすく紹介したいと思います。
壁つなぎを詳しく
足場のことを何も知らない人にとっては、何が足場の部材で、何が壁つなぎの部材なのかわからないものです。
壁つなぎは、建築などの作業現場で足場を壁に固定することを指します。
建物と足場を連結することで、より足場の安定を図る効果があります。足場が風など外部からの力が加わることによって、倒れたり、形が変わってしまうことを防ぐために壁つなぎが行われます。
足場は軽量なものもありますが、倒れたり、形が変わってしまえば、作業している人や周辺に危険な場合も少なくありません。壁つなぎは、この危険を回避するために大切なのです。
足場を建物に連結するために必要な部品なども壁つなぎと呼ばれる場合がありますが、どのような壁つなぎでも、労働安全基準法に基づいて作成された労働安全衛生規則によって、設置の義務が課せられています。
仕組み
壁つなぎは、足場と壁を固定するための専用の部材を取り付ける必要があります。これを取り付けるために、穴を空ける場合が多いです。
木造の建物であれば柱や梁など、壁の下地にねじやアンカーを打ち込むことで、壁つなぎを設置します。
鉄筋コンクリートの場合は、鉄骨やコンクリートに同じようにねじやアンカーを溶接することで、壁つなぎを設置します。
キャッチクランプと呼ばれる単管で、鉄筋に繋ぐ場合もあります。この場合は、鉄骨がむき出しになっていることが多いです。
建物や工事の内容によって、専用部材を取り付けることができない場合には、単管パイプなどで建物と足場を固定することで、壁つなぎの役目を果たすこともあります。
しかし、単管パイプを使う場合には、どうしても壁つなぎの専用部材に比べると、耐力が劣る場合が多いです。このため、単管パイプを使う場合には、足場を建てる場所が受ける風の圧力などを把握しておかなければなりません。
設けられている基準
壁つなぎを設置するときには、単に足場をどこかの壁に固定すれば良いというわけではありません。
壁つなぎをどのように設置するかの基準は、労働安全衛生規則に則る必要があります。
労働安全衛生規則には、一側足場や本足場、張出し足場には、壁つなぎや控えを設置することが明記されています。つまり、壁つなぎを設置せずに、これらの足場を設置してはならないということです。
壁つなぎまたは控えの間隔は、単管足場とくさび式足場の場合であれば、縦5m以下横5.5m以下でなければならないことが定められています。また、ビケ足場では、3スパンで2階層と横に設置しなければなりません。
これらの基準を満たさない足場は、労働安全衛生規則に反するだけでなく、作業する人や周辺の安全を守れず、危険を伴う可能性があります。
基準を満たすためではなく、安全のために壁つなぎを設置することが大切なのです。
荷重が大きいとき
労働安全衛生規則の基準を満たしていたとしても、風による荷重が大きく考えられるときは、さらなる考慮が必要です。
このときには、足場が軟弱になることが予想されることから、高さを3.6m以下にしなければならないという仮設工業会の基準に則る必要があります。
設置が難しいときには
壁つなぎは、どのような場合であっても、足場と建物があれば設置できるというものではありません。壁つなぎには、設置できない場合や、設置にあたって制約がある場合があります。
建物の骨組みや足場との位置によっては、壁つなぎを設置できない場合があるのです。しかし、壁つなぎを設置しなければ危険が高いことは先述しました。また作業を円滑に進めることもできません。
では、壁つなぎを設置できない場合は、どのようにすれば良いのでしょうか。
多くの場合で壁つなぎは、内外を垂直に繋ぐ横材である単管パイプに壁つなぎを設置することになります。
しかし、これができない場合には、取り付ける位置をずらし、規定に合わせた間隔で設置することになります。
控えを取り付けられない場合には
一般的な住宅の工事に使われる足場には、高い強度を必要とすることはあまりありません。しかし、住宅の新築の場合には、足場が先に建てられたあとで、建物が仕上がっていくことがほとんどです。
このため、足場そのものが自立し安定している必要があります。
建物に壁つなぎを設置することを好ましく思わない施工主や、スペースを確保できないことで控えを取り付けることが難しい場合もあります。
控えの設置が難しい場合には、建物の全周を緊結する構造にすることが、ガイドラインに記されています。
まとめ
今回は、足場が倒れたり、形が変わってしまうことを防ぐための壁つなぎについて、方法や基準などのお話しをしました。壁つなぎは、壁や柱、鉄骨などに設置することで、足場の安定を図り、安全と円滑な作業に繋がります。
また、アンカーで打ち込むことで、固定され、設置することができます。メンテナンスが予想される場合には、壁つなぎを撤去しない場合もあります。
特に新築住宅を建てる場合などでは、柱や梁に穴を空けて壁つなぎを設置することを好ましく思わない施工主も少なくありません。しかし、壁つなぎは、作業する人の安全を確保するために、規定が設けられており、必要不可欠なものでもあります。
また、作業する人の安全の確保は、スムーズな作業に繋がります。
定められた基準に従って、現場に合わせた壁つなぎを設置するようにしましょう。また壁つなぎの設置を理解するようにしましょう。
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